Toshl(とし、1965年〈昭和40年〉10月10日 – )
日本のミュージシャン、ボーカリスト、音楽プロデューサー、コンポーザー、執筆家、画家。ロックバンド・X JAPANのボーカリスト。
言わずと知れたX JAPANのボーカリストであり、そのハイトーンボイスとリップノイズを武器に、全世界を魅了してきた。幼馴染であるX JAPANのリーダー YOSHIKIとは定期的に仲違いを繰り返しており、現在はX JAPANを休止中。
ソロ活動を中心に、音楽だけでなくバラエティ番組などでも活躍するなど、マルチな才能を発揮している。
1982年 Xを結成
1992年 海外進出を機に XからX JAPANへ
1997年4月 ToshI 方向性の違いによりX JAPANを脱退
1997年9月 X JAPAN解散を発表
1997年12月 X JAPAN THE LAST LIVEにて幕引き
2007年 X JAPAN再結成
2018年まで精力的に活動を行うも、その後の活動が途絶え今に至る
2010年代後半に差し掛かると、X JAPANの高音がToshIにとって負担になっているのを感じる場面が増えた。活動後期には、コンサートにてキーを下げる場面も増えてきており、実質的にバンドとしての衰えも隠し切れなかった。
また進撃の巨人タイアップの「Red Swan」をHYDE feat X JAPANで公表するも、ToshIの参加は無く、後にHYDE feat YOSHIKIに訂正されるも、ToshIとYOSHIKIの関係に遺恨を残す形となった。
現在ToshIはソロ活動に終始しており、X JAPANやYOSHIKIについて触れるのはタブーとなっているようだ。
X JAPANの活動を追っていき、かつ著書「洗脳」を読むとわかることは、ToshIという人物が純粋ゆえに人に依存しやすい、ということだ。X JAPAN解散の原因は紛れもなくToshIの洗脳であり、復活も、その後のYOSHIKIへの依存も、現在も常に”誰かに依存すること”で心の平穏を保っている様子が伺える。
ラジオやテレビでの発言を聞くと、ブラックジョークなど人を皮肉る発言の切れ味には目を見張るものがあり、本当はそういう一面が強い人なのかな?と思わせられるが、そういった面を隠して仮面をかぶって生きていると、本来の自分を見失ってしまうのだろう。
ToshIはX JAPANの活動と自分自身の本音との乖離から悩みを抱えるようになり、ミュージカルで知り合った女性と親密になり、その女性の紹介でホームオブハートという団体に足を踏み入れた。
ホームオブハートの主な理念は
「人間の悩みの最大の要因は観念である」
「真に至福の人に戻るには、自我の観念の終焉とともにこそ、現われてくる」
「エゴ的競争の人間界の観念から自由な人にのみ、真のしあわせがおこる」
「エゴの観念や勝ち負けを強く習った人が苦しみ、そのような観念がない人がやすらぐ」
「自分(我)のものが少ない人ほど素晴らしくなり、美しい人生となる」ということであり、
「生病老死」などの人の基本的な悩みは、エゴの産物であり観念であると教えたうえ、観念にとらわれると不幸になるなどと教え、結果的には、人間の持つ「理性」すべてを否定し、「自我」を否定する。といったものである。
ホームオブハートではセミナーによって、フィードバックというプログラムを行い、否定的な内容で受講生を罵倒することを「ネガティブ・フィードバック」を四六時中行うことで、思考判断力を鈍らせ、正常な判断ができないまま理念が正しいということを信じていくようになる。
ToshIもそのうちの1人で「化け物アゴ男」あるいは「アゴ」などと呼ばれ、フィードバックが繰り返し行われてきた。
この著書が出版された2014年は、X JAPANも精力的に活動しており、どちらかというとYOSHIKIに依存している状態に見えた。よって、ToshIの発売時の心境と、現在の心境では相当な違いがあると思われる。
本の内容を端的にいうと「宗教団体に参加していた時期に体験したことや、脱退までの心の葛藤」である。
ToshIが宗教団体に入った動機や、そこでの生活、そして脱退までの心の葛藤が細かく描かれており、洗脳を受けた過程や、その後の自分自身の変化、その辛さや苦しさをリアルに表現しているのが特徴的といえる。
宗教団体による洗脳や精神的な虐待が問題となっている現代社会において、改めて目を通してほしい作品である。
ToshIの自伝的作品「洗脳」は、洗脳や精神的な虐待について考えるきっかけとなる作品です。彼が経験した苦しさや葛藤が、多くの人々に共感を呼び起こすとともに、そういった問題に対する理解を深めることができます。
ファンとしては、もう一度X JAPANが再稼働し、ToshIとYOSHIKIが一緒にステージに上がる姿をみたいのが本音ですが、現在の何にもとらわれない、楽しそうなToshIを見ると、周囲に破滅を呼び起こすYOSHIKIの隣に立たせるのは、違うのかな?と思ってもしまいます。
先ずは、この著書を手に取っていただき、過去、そして今のToshIに注目してみてください。